PRODUCTS Thermo Pro Release
- HOME
- Thermo Pro Release
THERMO PROThermo Pro Release
既存のコーティングでは解決できなかった高温工程の付着トラブルに。
Thermo Pro Release(サーモプロリリース)は、実使用環境に寄り添った仕様提案で、熱カシメや熱溶着などの高温環境下での樹脂加工工程へ安定した離型性能をご提供します。
FEATURESThermo Pro Releaseの特長・機能
Thermo Pro Releaseは、熱溶着や熱カシメなどの過酷な高温環境下において発生しやすい樹脂の付着や糸ひきといった課題を低減し、安定した非粘着性を長期間維持することを目的に開発した、当社独自のふっ素樹脂コーティングです。
ふっ素樹脂本来の優れた非粘着性を活かし、加工時の樹脂付着を抑える離型性能に加え、熱や機械的な負荷が繰り返しかかる環境にも耐えうる高い耐久性を兼ね備えています。
自社開発である強みを活かし、相手材となる樹脂や使用温度、加圧条件などのお客様の使用環境に応じた性能カスタマイズが可能です。
既存コーティングでは対応が難しかった付着トラブルや耐久性の課題に対しても、試作・評価を重ねながら柔軟に対応できる点がThermo Pro Releaseの大きな特長です。
APPLICATIONTHERMO PROの用途例
自動車用バッテリー・ランプユニットの熱溶着用金型の耐熱離型性向上・付着防止
高温環境下でも安定した離型性を維持し、熱溶着時に発生する樹脂の糸ひきや付着を抑制、これにより溶着部の液密性・気密性不良の低減と外観品質の安定化を実現します。さらに、金型・熱板への樹脂付着を低減することで、清掃・交換の手間削減と設備の安定稼働に寄与します。
電子基板等を筐体に固定する際の熱カシメ治具(カシメホーン)の耐熱離型性向上・付着防止
繰り返し加熱されるカシメ工程においても離型性を維持し、樹脂の糸ひきや付着によるカシメ不良を抑制します。カシメ治具表面の汚れ付着を防ぐことで、加工精度の安定化と治具の長寿命化、清掃頻度の低減に貢献します。
樹脂成型金型における成形品押出ピン(エジェクターピン等)の耐熱離型性向上・付着防止
高温状態で接触する押出ピン先端への樹脂付着を防止し、成形品のスムーズな離型を実現します。成形不良や外観不良の低減とともに、ピンの清掃・交換の手間の削減に寄与し、安定した成形工程を支えます。
CUSTOMIZEお客様の使用条件に応じてカスタマイズ
例えば、PE、PP、ABS、PCなどの熱溶着・熱カシメ工程で加工される樹脂は、材質ごとに溶融温度や溶融粘度が異なります。
また、同一材質であっても、使用温度、接触時間、加圧条件、形状などの違いにより、溶融状態における粘着性や付着の状況は大きく変化します。
Thermo Pro Releaseは、こうした実際の使用条件を事前に詳しくヒアリングしたうえで、離型性・耐久性のバランスを最適化したコーティング仕様をご提案いたします。
また、当社では、実際の使用環境を模した条件下で離型性を評価できる独自の評価試験機を保有しております。
実際に使用予定の樹脂材料のテストピース等をご提供いただくことで、より実環境に近い評価が可能となり、精度の高い仕様検討・カスタマイズ提案につなげることができます。
| 塗膜仕様 | 試験の様子 | 樹脂材溶着部の糸ひき | 塗膜表面への樹脂残渣物の付着 | ||
| Thermo Pro Release (PC樹脂の離型に最適化した仕様) |
|
|
|
||
| 糸ひきなし | 付着なし | ||||
| 一般的なふっ素樹脂 (PTFEコーティング) |
|
|
|
||
| 糸ひき発生 | 付着発生 | ||||
本試験は、コーティングを施したアルミニウム板の表面に、PC樹脂板を接触・離脱させた場合の糸ひきおよびコーティング表面への残渣物の付着状況を評価しました。
【試験条件】
コーティング表面温度:230℃
押し付け荷重:200 N
接触面積:3×30mm2
押しつぶし寸法:2.0 mm
接触時間:15秒
※本試験結果は当社の試験条件下で試験した場合の評価結果であり、実使用環境における性能を保証するものではありません。
DURABILITY高耐久性を支える2つの技術的特長
Thermo Pro Releaseの高い耐久性は、「強靭な密着性」と「優れた耐摩耗性」という2つの特長で支えられています。
強靭な密着性 ー 高温環境でも性能が持続 ー
Thermo Pro Releaseは一般的なふっ素樹脂コーティングと比較して、約3倍の初期密着性を有しています。この高い密着性により、熱履歴や機械的負荷が加わる環境下でも塗膜の剥離や性能低下を抑制します。
260℃の高温環境に長期間暴露した場合、一般的なふっ素樹脂コーティングでは約3ヶ月で密着性がほぼ失われるのに対して、Thermo Pro Releaseは密着性の低下が約30%程度に抑えられます。
これは一般的なふっ素樹脂コーティングの初期密着性と比較しても約2倍の密着性を維持していることを示しており、高温環境下での長寿命化に大きく貢献します。
優れた耐摩耗性
ー 繰り返し使用に強い塗膜 ー
耐摩耗性については、ボールオンディスク試験により評価を行っています(相手材 SUS304ボール、荷重 3,000g、回転速度 200 rpm)。一般的なふっ素樹脂コーティングでは約1,000~1,500回転で金属基材が露出するのに対し、Thermo Pro Releaseは4,000回転以上でも、基材の露出は確認されませんでした。この結果は、摺動や繰り返し接触を伴う工程においても、Thermo Pro Releaseは塗膜の摩耗を抑え、安定した非粘着性能を長期間維持できることを示しています。
| 塗膜仕様 | Thermo Pro Release | 一般的なふっ素樹脂 |
| 膜厚 | 30 µm | 30 µm |
| 動摩擦係数 | 0.06~0.12 | 0.06~0.12 |
| 耐久性 | 4000回転以上 | 1000~1500回転 |
| 摩耗痕 | |
|
| 基材は露出せず | 金属基材が露出 |
WELDING MOLD溶着金型(TPR HT)
ふっ素樹脂でも対応困難な高温条件やPFAS規制に対応した新グレード
Thermo Pro Release HTは、ふっ素樹脂の連続使用温度を超える260℃以上の高温度帯で使用される熱溶着工程へ向けた離型コーティングです。
高温環境下ではふっ素樹脂やシリコーン系コーティングは、性能低下や劣化が課題となるケースがあり、特に連続使用温度を超える高温で長時間の加熱を行うと人体に有害な熱分解生成物が発生するなど安全衛生上の問題があります。
Thermo Pro Release HTは、ふっ素樹脂やシリコーン系コーティングと比べると、非粘着性はやや劣るものの、最大500℃までの高温度帯においても離型性能を維持し、有害な熱分解生成物が発生しないことが特長です。
また、Thermo Pro Release HTは、PFASを一切使用しない「PFASフリーコーティング」です。熱溶着工程などの樹脂加工分野において、将来的にPFAS規制の対象範囲に含まれるかどうかは現時点では明確ではありませんが、環境負荷低減や将来リスクへの配慮からPFASフリー材料をご検討されるお客さまにとって有力な選択肢となります。
PRODUCTSThermo Pro Release 製品一覧
| グレード名 | Thermo Pro Release | Thermo Pro Release HT | 【比較】PTFEコーティング | 試験方法・規格 | |
| 特徴 | 高温離型に特化させたふっ素樹脂コーティング、相手材に応じて離型性能をカスタマイズ | ふっ素樹脂を超える超高耐熱性有した無機系離型コーティング | 一般的なふっ素樹脂コーティング | ー | |
| 塗膜仕様 | 色調 | 黒 | クリア | 複数色 | ー |
| 膜厚 | 20~40µm | 5~15µm | 20~30µm | ー | |
| 加工温度 | 400℃ | 200~300℃ | 400℃ | ー | |
| PFAS規制対応 | PFASフリー | × | 〇 | × | ー |
| 耐熱性 | 連続使用温度 | 260℃ | 500℃ | 260℃ | ー |
| 非粘着性 | 付着防止機能 | ◎ | ○ | ◎ | ー |
| カスタマイズ対応 | 〇 | × | △ 既存から最適仕様を選択 |
ー | |
| 塗膜硬度 | 鉛筆ひっかき試験(室温) | F~2H | 4H ※基材による |
F~H | JIS K5600-5-4 |
| 鉛筆ひっかき試験(200℃) | 6B~4B | 4H ※基材による |
<6B | ー | |
| 耐摩耗性 | ボールオンディスク試験 | 4,000回転以上 基材露出なし |
ー | 1,000~1,500回転 基材露出 |
JIS K 7218 回転半径5.0mm、回転速度200rpm、荷重3,000g |
本表は、Thermo Pro Releseについて、標準的な仕様を示した参考値であり、性能を保証するものではありません。
実際の性能は、使用環境、膜厚、下地処理、基材形状、使用温度や負荷条件などにより異なります。実際の設計・仕様選定については、当社までお問い合わせください。